ウィズコロナ・アフターコロナの賃貸管理

2020年から始まったコロナ禍により、人々の生活様式や社会のあり方が大きく変わってきました。 人々や社会が変われば住まいのあり方も変わります。賃貸管理の面からウィズコロナ・アフターコロナを考察します。
- [目次]
- 新型コロナウイルスがもたらした意識変化
- 住まいに求められるものの変化
- キーワードは「都心から郊外へ」
- 受け皿となりえるのかが重要
- 既存物件でもできること
- 巣ごもり時間増加による弊害における対策
- コロナ禍前にはもう、戻らない
新型コロナウイルスがもたらした意識変化
コロナ禍により、賃貸管理の在り方、存在意義が大きく変化しています。
新型コロナウィルスの感染拡大を防止するために、緊急事態宣言・蔓延防止措置などのに人流を抑制する施策や、手指の消毒やマスクの徹底、3密の防止などの感染対策により、人々の生活様式はガラリと変わりました。
通勤による電車の密を避けるために企業はテレワークを採用し、在宅時間が大幅に増加しました。
この巣ごもり期間が人々のライフスタイルへの意識を変えていきました。
住まいに求められるものの変化
テレワークの普及が進むことで通勤(時間)を気にする必要性が薄れたため、駅に近いという利便性も重要ですが、総合的な生活環境が優先されるようになったのを肌で感じます。
在宅勤務時間が多くなり、より多くの時間を過ごす『家』に意識が向くようになりました。
実際に家族時間が増え、在宅勤務が続くと今までは必要なかったもの、重要視していなかったものに気付くようになりました。
- 家族で過ごす時間を充実させたい
- 「自宅で家族と映画を観たり、子供と一緒にゲームなどができる広いリビングが欲しい」「家庭菜園などができる庭が欲しい」など、家族時間を楽しむための空間が求められるようになりました。
- 一人になれる(仕事ができる)場所が欲しい
- 一方で、家にいる時間が長くなることで「家族との距離感にメリハリをつけたい」「家族に干渉されることなく仕事ができる空間が欲しい」「リモート作業が増えた為、インターネット環境を整えたい」など、家族との時間も仕事もプライバシーも大切になり、作業に集中できる空間、環境が求められています。
キーワードは「都心から郊外へ」
家族と過ごせる広い空間(場所)と一人になれる独立した空間(場所)。 そのためには、家に「広さ」「部屋数」が必要です。 しかし、それを求めれば住宅費に跳ね返ってくる一方で、コロナ禍でテレワークが普及しても収入が飛躍的に増えることも考えにくいです。
そこで、この2つの空間を現実的に確保するために導き出された答えが「郊外」です。
都心から離れることで同じような空間であっても、家賃は下がっていきます。
住宅費の負担を増やすことなく、コロナ禍で快適に暮らしていくための一つの解決策が「都心から郊外へ」なのです。
受け皿となりえるのかが重要
とはいえ、それだけで郊外に賃貸物件を所有するオーナー様がその恩恵を受けられるとは限りません。
重要なのはその人々の要望を満たすことができる物件なのかにかかってきます。
オーナー様が自身の所有する賃貸物件を『受け入れ態勢が整った物件』にしておくことが必要です。
これから建てる物件であれば、その要望を満たすように建てることもできるでしょうが、既存物件では、すべての要望に応えることは難しいかもしれません。
しかし、新しいスタンダードとして定着しつつあり、長きにわたって続いていく賃貸経営という目線で考えれば、できる限りのことはしておくべきではないでしょうか。
既存物件でもできること
既存物件であっても、以下のようなものであれば対応可能だと思います。
- 間取りを変更してリビングをつくる。3DK→2LDK、2DK→1LDKへ
- WIC、ユーティリティスペースなどがあれば、DEN(書斎)へ
- 敷地に余裕があれば、入居者専用の一坪菜園へ
- 高速インターネット設備の導入
- 宅配BOXの設置(非対面、ネット購買商品宅配配慮)
ここで挙げたのは一例ですが、各物件の特性を活かした対策があるのではないでしょうか。
巣ごもり時間増加による弊害における対策
一方で、日中に自宅にいる時間が増えた為に顕著になったトラブルも見受けられます。
- 日中の騒音トラブル(テレワーク中は、隣の部屋のTV、話し声さえ気になる)
- ネット通販による段ボールゴミの増加(ゴミステーション美化トラブル)
- 巣ごもりにより、日常ゴミも増加
これらのトラブル対策のために、遮音対策工事(騒音トラブル対策)やゴミステーションの見直し(ゴミ増加対策、美化対策)の検討も行うべきであると思います。
コロナ禍前にはもう、戻らない
新型コロナウィルスの出現により、世界中のあらゆる価値観に変化をもたらしました。 日本人の住宅に向けた価値観の変化もその一つだといえます。 確かにキッカケは新型コロナウイルスでしたが、一度変化した意識はコロナ禍が終息してもコロナ以前には戻ることはないでしょう。 戻るどころか更に要望は細分化し、将来の賃貸像は、より多様性への対応を求められ、明確なコンセプトを持った物件が熾烈な市場競争において優位になってゆくのではないでしょうか。
太陽ハウスではウィズコロナ・アフターコロナの住宅事情の変化も踏まえたうえで、賃貸物件の空室対策や経営プランの見直し、リフォームのご提案など、オーナー様の利益の最大化を目指した管理サービスを提供しております。
賃貸管理についてご興味ある方は、お気軽にご相談ください。